1.マイナンバーにはどんな危険性があるか

 

マイナンバーは便利な点もある反面、多くの危険性も指摘されています。

では、マイナンバー導入において巷で懸念されている事項や危険性、問題点は具体的に何でしょうか?

 

①将来的に私生活の状況までもが記録・把握される

このマイナンバーには、将来的には家族構成、税金の支払状況から、給料や預貯金、不動産などの資産情報、生命保険や医療に関する情報、合計で93項目にも渡る個人情報が網羅される予定です。

つまりは、その個人に関する多くの情報が記録され、個人に関するほぼすべての情報がわかる番号となります。

今までは各人が所有する資産情報などは行政は簡単に把握することができませんでしたが、このマイナンバー制度の開始により、将来的にはそういったことも容易になります。

 

②個人情報漏洩の大きなリスク

現在管理システムに障害が発生したり、不正アクセス等で情報漏洩等で個人情報が漏洩されると、ほぼすべての情報が網羅されていることから甚大なプライバシー侵害が発生します。

しかしながら、どんなに強固なシステムを作っても、それを扱うのは人ですから、100%漏洩を防ぐことは困難です。

実際、個人情報法保護法施行後、民間企業は個人情報漏洩防止策をしっかり行ってきたにもかかわらず、今までも民間企業等で情報が漏洩する出来事がたびたび起こってきました。

そして個人情報の漏洩は、システム管理面だけではなく、人為的なミスや金銭目的の故意の漏洩も起こりえます。ですから、マイナンバー施行後にも情報が漏洩するリスクは現実的であり、高い確率で考えられます。

実際、アメリカではソーシャルセキュリティーナンバー(SSN、社会保障番号)と呼ばれる、日本で言うマイナンバーに類似するものが使われていますが、これを含む個人情報の流出が社会問題の1つとなっています。例えば、同姓同名であることからの行政のミスによるトラブル、また不正にナンバーを盗んで他人になりすまし悪用するなど、身分証明を偽装した詐欺も数多く起きています。

そして、それに対する根本的な対策はいまだきちんと練られていない現状、そして日本人特有のセキュリティの甘さでは、日本がアメリカや韓国の二の舞いになる可能性が非常に高く、危険であることは疑いの余地はないと思います。

 

③高額な導入・維持費用

住基ネットで1千数百億円もの税金が投入され、結局中途半端に終わりました。約640億円もの予算を計上していることを前述しましたが、システム維持費用にも高額な費用がかかります。

では、マイナンバー制度導入にかかるコストはどの程度なのでしょうか?

これは3000億円~1兆円とまでいわれています。非常に大きいコストであることは間違いありません。これだけの税金が投入されるわけですから、これに見合ったメリットがあるような適切な運用方法がとられることを強く望みます。

 

 

④個人や企業への負担とリスク増大

マイナンバー導入に伴い、行政機関だkでなく、マイナンバーを扱うこととなる個人や企業にとっても、リスクが増大します。企業にとっては、先のアメリカの事例のようにデータベースに不正侵入され情報漏洩となるリスクも高いです。日本でも、2015年に日本年金機構の情報漏洩が大問題となったのは、記憶に新しいのではないでしょうか。また、いかに堅牢なシステムを導入しても、従業員が会社への不満や金銭目的でマイナンバーを漏洩させるかもしれません。

そして、マイナンバー情報が漏洩した場合、ごめんなさいでは済みません。

情報漏洩が起きた際は、企業への罰則もあります。預かったマイナンバーが漏洩した場合、「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」ですので、非常に厳しい制裁です。企業は懲役ができないので、罰金を払うことになりますが、そうなると企業イメージが傷つく、公共入札に参加できない等の不利益が生じます。

マイナンバーがどんなものか、何となく知っている方は多いですが、社員の番号を預かる企業がそれを漏洩させてしまった際に罰則規定が設けられていることはあまり知られていません。ですから、甘く考えている経営者が多いのも事実です。
たしかに、個人情報保護法が制定され、国内でもセキュリティ対策は一斉に強化されてきました。しかしながら、マイナンバー制度の施行に伴う特定個人情報の漏洩については、既存の個人情報保護とは次元の違う重い罰則となっています。

たとえば、もっとも重い刑事罰は「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」もしくはその両方を科せられます。この「4年」には大きな意味があり、懲役4年になってしまうと、執行猶予がつきません。経営者が実刑になれば、即廃業になるリスクもあります。ですから、経営者は正面からこの点を検討しておかないと、特定個人情報の漏洩により、事業継続にも影響が出ることにもなりかねません。

より具体的に、あなたが雇ったアルバイト店員がマイナンバーのデータの入ったパソコンを使っていて、ウィルスに感染し、他人のメールに送信されてしまったとしましょう。

そうすると、流出させてしまったアルバイト店員のみでなく、経営者であるあなたも逮捕されてしまうのです。これは非常に恐ろしいことではないでしょうか。

何もマイナンバー対策をしなければ、2016年、12桁の個人番号(マイナンバー)そのものとマイナンバーにひも付けた氏名や従業員番号などを含む「特定個人情報」が企業から大量に盗み出される危険性が高いといえ、「自分には関係ない」とはいえないのが現実なのです。
ですから、日本の企業はすべて、自分の身を自分で守るため、今すぐにでも行動を起こすべきです。よく「行政のマイナンバー対応が遅れている」と言われますが、企業の対応は「さらに遅れていることを認識する必要があります。

今行動するかどうかが貴方の運命を決めることになります。

当事務所では、マイナンバーの対策を少しでも早くできるよう、マイナンバー対応コンサルティング、安全管理規定の整備のサポートを行っておりますので、マイナンバー対策にお悩みの企業様は、まずはお問い合わせください。

 

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